「アクセス制御」で説明したように、UNIX Systemsでは、root以外のユーザーとしてTimesTenをインストールできます。この項のすべての内容は、指定のある場合は除き、TimesTenでサポートされているすべてのUNIX Platformsに適用されます。
ただし、TimesTenのインストールの前後では、いくつかのタスクをroot
ユーザーとして実行する必要がある場合があります。この項では、root
ユーザーとして実行する必要があるタスクの概要を説明します。
インストールを続行する前に、「インストールの前提条件」に示した前提条件が満たされていることを確認する必要があります。ご使用のプラットフォームに対して、前提条件に関する手順を実行します。
次の手順は、アクセス制御の使用に関係なく、root以外のユーザーが行うインストールに必要です。また、インストール時にアクセス制御を有効にするすべてのインストールにも必要です。
TimesTenをインストールする前に、インスタンス管理者グループを作成する必要があります。
HP-UX Systemsでroot以外のユーザーとしてインストールする場合、TimesTenのMemoryLock機能を使用するときは、TimesTenデーモンを実行しているオペレーティング・システム・ユーザーは、MLOCK
権限が付与されているオペレーティング・システム・グループに属している必要があります。
たとえば、ユーザーがtimesten
というグループのメンバーである場合、root
として次のコマンドを実行すると、timesten
グループにMLOCK
権限が付与されます。
# setprivgrp timesten MLOCK
グループの権限を確認する場合は、getprivgrp
コマンドを使用できます。
$ getprivgrp timesten
timesten: MLOCK
注意: | LinuxおよびTru64 Systemsでは、MemoryLock属性を使用するために、root権限が必要です。Solaris SystemsでMemoryLock=1または2を使用するには、ユーザーはrootとして指定されている必要があります。Solaris Systemsでは、TimesTenのroot以外のインスタンスのデータ・ストアは、この属性を3および4に設定して使用できます。 |
/etc/TimesTen
がない場合は作成します。 # mkdir /etc/TimesTen
このディレクトリのファイルに必要なディスク領域は、2KB未満です。
たとえば、timesten
というTimesTen管理者グループの場合は、次のようにします。
# chmod 775 /etc/TimesTen
# chgrp timesten /etc/TimesTenTimesTenリリース5.1からアップグレードする場合は、TimesTen 7.0をインストールするマシンごとに、既存の
/etc/TimesTen
ディレクトリの既存のグループの所有権および権限を変更する必要があります。この場合、TimesTen管理者グループのメンバー用に、instance_info
ファイルに書込み権限を割り当てる必要があります。次に例を示します。# chgrp -R timesten /etc/TimesTen
# chmod 664 /etc/TimesTen/*
/etc/TimesTen
の存在および権限を検証します。存在しない場合や正しくない場合は、失敗します。 root以外のインストールの場合、TimesTenデーモン起動スクリプトを適切なシステムの場所にインストールするには、rootユーザーはinstall_dir/bin
ディレクトリにあるsetuproot
スクリプトを実行する必要があります。
# setuproot -install
この手順は、マシンを再起動するたびにTimesTenインスタンスを起動する場合にのみ必要です。
注意: | これらのスクリプトをシステム・ディレクトリにインストールする場合は、TimesTenインスタンスを削除するときに、# setuproot -uninstall を使用して、手動でこのディレクトリを削除する必要があります。 |
root以外でのインストールの場合、デーモンのシステム・メッセージ・ログのデフォルトの場所は、インストール・ディレクトリ内のファイルになります。rootでのインストールの場合、デフォルトの場所は、syslog
メカニズムです。詳細は、「UNIX Systemsの情報メッセージ」を参照してください。